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発案に至った経緯

ジオダブルサンド工法®の発案に至った経緯

吉宮邦雄
吉宮 邦雄

この度の未曽有の東日本大震災、これに伴う原発事故と我々日本人にとって国家さえ失いかねない大災害と大事故を体験しました。
不幸にも被災された方々の心中は如何ばかりかと思いますと慰める言葉さえありません。
震災後、私達が訪問した被災地の或る自治体の災害担当責任者の方は涙ぐみながら私達に被災直後の模様を語ってくれました。その表情には万感迫るものがありました。どんな言葉も言語を絶する思いをした方々には虚しく響いたことでしょう。

液状化

この中で我々は色々なことを体得することが出来ました。それは「備えあれば憂いなし」という先人の教えであります。我々日本人は、戦後の経済発展や平和に慣れ色々なケースの危機管理に対して無頓着であったことです。これだけの被害を受けながらも、聞こえてくる言葉は「想定外だった」とか「千年に一度の災害だった」とかとの言い訳にも似た言葉の羅列でありました。

その中で、日本IBMのアメリカの担当部長がテレビのインタビューに答えておりました。地震は天災だった、しかし備えが無かったのは人災であると。アメリカでは安全の基準のスパンを一万年に一度、または百万年に一度位の長い確率で考えるとのことでありました。

まえおきが長くなりましたが、水と安全確保にはコストが掛かります。だからと言って際限なく費やす訳にはいきません。望むべくは最小コストで最大効果を発揮出来る知恵を絞ることです。一人々がどんな小さなことでもいいから気がついた英知を集めることが大切ではないでしょうか。

我々は3.11の震災以来何か一助になることはないものか思考を重ねてまいりました。 その結果、緊急時に最も必要なことは道路、避難先の確保であるとの結論に達しました。 しかし、一中小企業で出来ることは限られている為、山形県及び酒田市よりご支援とご協力を受け最小コストで最大効果の耐震、液状化対策「ジオダブルサンド工法®」の開発に至った。現時点での採用は無論のことではありますが、尚一層の理論化の確率の為、日本大学工学部土木工学科仙頭紀明准教授の技術協力ならびに指導のもと、25年4月初旬において、遠心載荷試験を執り行うことにしております。

ジオダブルサンド工法®

本技術は現場での体験より発案に至った工法であり、各地の砂地盤に於ける推進工事での竪坑にての鏡切り(シートパイルに円形状に穴を開ける)の失敗より山を落とした(陥没)時の砂の動きがどのようになるか、陥没後水はどのように戻るか等を教訓にし、 二十年以上本工事に携わった経験をジオテキスタイルとの合体に応用した領域であります。地震時に水圧を逃せば陥没の反対側になるとの結論に辿り着いた次第であります。本技術の大きな特徴は平常時には耐震のほか道路、駐車場等の長寿命化に寄与し、一朝ことがあれば液状化対策にも効果抜群の働きをするいわば一石二鳥の工法でもあります。
コスト面でも従来工法とは比較にならないほど低価格に抑えております。その理念は被災地で次の震災に怯える被災者、またこれから来るかもしれないと不安に駆られる液状化が予測されるエリアの住民、その方々に少しでも本技術にてその一助になれば幸いとの思いからです。国の液状化対策が遅々として進まないのはコストがあまりにも膨大過ぎて決断を下せないのが実情であろう。

ジオダブルサンド工法®は広範に超低コストで誰でも容易に出来る技術であり、ライフラインにも即応する優しい技術である。再び来るであろう震災に備え我々は同じ轍を踏んではいけない。

平成24年9月26日

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